秋葉山大権現(勝沢町)

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 前橋市立芳賀小学校の北西、藤沢川のそばに鎮座する秋場山大権現(前橋市勝沢町)。
 ストリートビューでは駐車スペースがありそうに見えたのだが、行って見たら草が生い茂っていて無理。道端に停めてぱぱっとなー。

『秋葉講(其の一)
 勝沢町東部の藤沢川畔の田圃の隅に、小さなブロック造の祠があり、近くに大小二つの石碑が建っている。大きい方が「庚申」を祀る「青面金剛塔」碑で、小さい方が「秋葉大権現」碑である。傍に一本の花水木が植えてあり、「秋葉大権現祭復活記念植樹、東昭会、昭和六十三年」と記した立札が添えてある。
 右の立札が示すように、秋葉様の祭典は、途中で一時中断されていた時期があったようである。地元の古老が語ってくれた「秋葉講」の由来は、要約すると次のような内容である。
 秋葉講の始りは、既述の石碑の裏側に彫られてある年号が「嘉永三年」とあることによっても明らかなように、今から数えて、約百五十年以上も前であった。その昔、勝沢東部(昔は番城と言った)は火事が頻繁に発生し、住民は枕を高くして眠れない時期が続いた。そこで何とか火事を無くそうということで「火伏せの神」として「秋葉様」を祀ったと伝えられている。
 時が移り、明治大正の頃迄、秋葉様のお祭りは寔に盛大そのものであった。仮り宮は鬱蒼たる松林に囲まれた南向きの木造のお宮であった。祭りの当日は、現在の県道に面した入口から、仮り宮までの参道の両側に、大小十数本の幟と灯籠が建てられ、夜になっても、赤々と灯された灯籠の「あかり」で昼と変わらぬ「にぎわい」を保っていた。灯籠は毎戸から一灯づつ持ち寄り、足りない分は勝城神社の灯籠を借りて灯した。当時使用した幟は、保管していた当番の家の火災で焼失し現存しない。
 祭典は、春三月十七日と、秋十月十七日の年二回行われ、講中は赤飯を炊いて仮り宮にお供えをした。当番に当った代表が数年おきに、本山への代参を続けて来た。終戦後になって、祭りの主役が、当番から「子供」中心に変った。祭りの当日になると、子供達は何組かに別れて、「つらぬき」と称して講社の宅を一軒一軒廻って、祭りの寄附金を募って歩き、祭りに必要な蝋燭その他の費用を賄い、余った金があると、学用品等を買って、全員に分配した。
 夜は「お籠り」と言って仮り宮に一泊し、講中の供えた赤飯や、菓子、果物などを頂き、小規模乍らも、集団生活の実習体験を身につけて、翌朝帰宅をする。このような行事が毎年続けられ、後輩は先輩を見習い、先輩は後輩を指導する伝統行事に育って行った。
 ところが在る年のこと、予期しない事件に遭遇した。事情を知らない通りがかりの人が、親切心からか、警察署に通報したことから事件となった。その人は、この伝統行事の内容も解らぬまま、不良少年少女の集り、と勘違いし、警察も、それは大変と早合点したものと解り、事件は一応落着したものの、濡れ衣を着せられる羽目になった子供達のショックはかなり大きかったとみえて、それから数年後に、子供達によるお祭りは中止された。
 祭りの復活に力を入れたのが既述の「東昭会」である。この会は昭和五十八年に、勝沢東部に住む昭和生れの若者全員で結成された親睦団体であるが、話し合いの過程で、中断されている「秋葉祭」を復活させることに意見が纏り、昭和六十年に、復活第一回の祭りを開催した。以後毎年主催の役を買って出て、現在まで祭りは継続されている。この間、昭和六十三年と平成四年の暫らく途絶えていた本山への代参も行い、名実ともに祭りは復活された。本山は静岡県天竜市の北方、周知郡にある、秋葉寺の本堂に安置されている、三尺坊大権現(防火鎮護の神)である。代参者は祈祷の後、本山のお札を拝受し、帰参後之を各戸に配布して務めを終る。
 尚秋葉祭とは直接関係はないが、正月が終ると秋葉様の境内に、古い達磨や神社、仏閣のお札などが沢山納められるようになったのが契機となって、昭和六十三年の小正月から、この境内で、「どんど焼き」が復活し、秋葉祭りと相俟って、地域ふれあいの年中行事となっている』
(「芳賀村誌・芳賀の町誌」より抜粋)
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 左は青面金剛塔、右は秋葉山大権現。
 左奥には五基か六基程の庚申塔が草に埋もれている。
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